ジーフロイデ株式会社

東京板橋区板橋2-20-5-203

星好きがいつしかそれを仕事に・・・。

私は光学業界に入ったきっかけは小さい頃からの趣味である星好き、特に天体望遠鏡オタクに始まりました。古い天体望遠鏡を見ると今でもワクワクします。
反射望遠鏡の鏡面研磨を小学生で体験し、レンズ加工技術のベースをこの時初めて知りました。あれから50年。途中長い中断を経てここ数年、再び天文熱が再燃。聞く限りこういうパターンの人、多いそうですね。
現在の愛機、名称はRedcat51と申します。口径僅か51mmの高性能望遠鏡です。

時々記事書いて行こうと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

新型反射望遠鏡登場!


そもそも望遠鏡いじりは半分趣味ですが仕事の延長で色々と研究しています。
元来私は凝り症なので自社開発の非接触中心厚測定機も限界性能を求めて装置設計元さんを泣かせています(笑)

左はSkywatcher製の口径150mmF4(コマコレクターでF3.45まで可能)の反射望遠鏡がこの夏、仲間入りします。この望遠鏡は現在のRedcat51(口径51mm、F4.9焦点距離250mm)の描写性能に限界を感じ新しい機材を追加しました。
反射望遠鏡は利点もありますが製品そのままの仕様では不十分な点も多々あります。

1.迷光防止対策
反射望遠鏡では斜鏡という光を90°曲げて筒外へ導くミラーが筒先に近い所に配置
されてます。接眼部が近いという理由で筒先から入る余計な光でコントラストが低下
します。従ってフード装着が望ましいです。但し市販に中々良いモノがないので簡単
なのはホームセンターで売ってるゴミ箱をカットして筒先と主鏡背面からの迷光を
完全遮断します。

2.アポタイザー
反射望遠鏡では先ほどの筒先近くのミラーを支持するスパイダーの影響でコントラスト
が低下します。この影響を抑える為、スパイダーに小さな治具を装着します。
これは光の干渉理論に基づき回折効果で解像度を劇的に改善する方法です。

3.シムリング装着
安い中華望遠鏡においては主鏡の保持でゴムを120度間隔で3個使う方法が取られています。これが結像で悪さをします。3本不思議な光状が発生します。これを改善するのが円形の保持リング、通称シムリングです。これを使うと前述のアポタイザーの効果と相乗効果で劇的に解像度がアップします。下記がそうです。口径が数倍の望遠鏡と匹敵する驚異的に解像度が出す事に成功しました!


十字のスパイダーに不思議な形の治具が付いています。それがこの
アポタイザーと呼ばれるモノです。
右がシムリング装着の様子です。


このシムリング装着で120度間隔の光状が消えています。







そして反射望遠鏡で重要なのは光軸調整です。これを真剣に行うか否かで結像性能が飛躍的に向上します。右が調整前後の違いです。

そして下記が最終の結像性能です。驚くべきはこの改造で口径にして2倍以上の望遠鏡に匹敵する結像性能を出す事に成功しました!




恥ずかしながら作例です

私の仕事はレンズの性能を把握する測定機の開発と販売です。
しかし実際の市販品の光学性能の把握には機器類を使ってみないと
分かりません。

・どの程度の光学性能なら許容されるのか?
・ユーザーはどこを気にしているのか?

いわば市場調査も兼ねています。
因みに私の愛用の望遠鏡は中国製です。ひと昔は粗悪品も多かったですが
最近の品質レベルはかなり高いです。しかもユーザーの要求に答える
製品作りをしています。これは私も参考になりますね。

下記はその一例です。

まずは冬の超有名な星雲、オリオン座M42星雲とバラ星雲。
この堂々たる姿に魅了されて撮影したくなります。
が実はM42は撮影には難敵。理由は星雲内での輝度差が激しく露出をかけると
中心部が白飛びします。これを如何に抑えるかで苦労します。
バラ星雲も余り細部が写ってませんね。
下画像はその中でもまあまあです。一応細部は写ってますがまだ気に入らず。
ここから先は光学性能というより画像処理の問題かな・・・。



空は夏の様相です!

これは夏のいて座方向にある

1.M20 三裂星雲・・・左
2.M8 干潟星雲・・・右

です。かなり良く写りました!高度が低いのでカぶりの影響が出ますが
そこは画像処理でカバーしています。
もっと大型の望遠鏡で撮影した画像と左程遜色ありません。最近の
小型屈折望遠鏡は本当に優秀です。
しかし反射式でもう少し大きな機種があれば微細構造描写の違いで
もっとこの差が明確になると思います。


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